土砂災害警戒情報や土砂災害危険度は、降雨から予測可能な土砂災害のうち、避難指示等の災害応急対応が必要な土石流や集中的に発生するがけ崩れを対象としています。
土砂災害警戒情報が発表されていなくても渓流や斜面の状況に注意し、異常を感じたら早めの避難をこころがけてください。
また、土砂災害警戒区域外であっても土砂災害の被害がおよぶおそれがあります。大雨により土砂災害発生の危険性が高まったときは、安全な場所へ早めに避難してください。
「岩手県土砂災害警戒情報システム」(以下本サイトという。)では、土砂災害発生の危険性がある場所や、大雨により土砂災害発生の危険性が高まった時、土砂災害警戒情報や土砂災害危険度情報を県民の皆様にお知らせすることで土砂災害への備えに活用して頂くことを目的としています。
降雨量に応じた土砂災害発生の危険度を地図やグラフで表した情報です。
地図では危険度の分布を10分間隔で表示し、危険な場所を把握する際の参考となります。
また、グラフでは危険度の時間変化について、数時間先までの予測を含めて表示しており、状況の切迫性を把握する際の参考となります。
警戒レベル | 危険度判定/ 土砂災害危険度 |
状況 | 備考 |
---|---|---|---|
警戒レベル5 相当 |
実況で 特別警報 基準超過 |
現在の降雨指標が、特別警報(土砂災害)基準を超過した状態です。 「命に危険が及ぶ土砂災害切迫」「土砂災害がすでに発生している可能性が高い」状態です。 |
特別警報 (土砂災害) 発表の目安 |
警戒レベル4 相当 |
2時間後までに 基準値超過 |
降雨指標が、今後2時間以内に土砂災害発生危険基準を超過すると予測される状態で、「避難開始の目安」となります。 なお、「土砂災害警戒情報」の発表基準となっています。 |
土砂災害 警戒情報 発表の目安 |
警戒レベル3 相当 |
大雨警報 (土砂災害) 基準超過 |
現在・1時間先予測・2時間先予測の降雨指標が、「大雨警報(土砂災害)」の発表基準を超過した状態で、 「避難に時間のかかる人は避難、それ以外の人は避難準備をする目安」となります。 |
大雨警報 (土砂災害) 発表の目安 |
警戒レベル2 相当 |
大雨注意報 基準超過 |
現在・1時間先予測・2時間先予測の降雨指標が、「大雨注意報」の発表基準を超過した状態です。 | 大雨注意報 発表の目安 |
ー | 判定対象外 | 土砂災害危険度判定対象外メッシュ | ー |
平坦で土砂災害が発生しえないメッシュや、建物がなく定常的に人が活動していないメッシュ等、自然的、社会的条件等の観点から勘案して、土砂災害の危険性が認められないメッシュについては、除外メッシュとして、1km 格子単位で土砂災害危険度の判定から除外されます。
ただし、大雨注意報基準超過時(警戒レベル2相当)のみ着色されます。大雨による土砂災害発生の危険度が高まったとき、都道府県と気象庁が共同して発表する防災情報です。
市町村長が避難指示等を発令する際の判断や、住民の皆さんが自主避難を行う判断を支援するための情報となります。
砂防三法に基づいて指定されている砂防指定地、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域のことです。
砂防法(明治30年3月30日法律第29号)第2条に基づき、治水上砂防のための砂防設備を要する土地または一定の行為を禁止し若しくは制限すべき土地として、国土交通大臣が指定した一定の土地の区域です。
急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年7月1日法律第57号、以下「急傾斜地法」という。)第3条に基づき、関係市町村長(特別区の長を含む。)の意見をきいて、都道府県知事が指定した区域です。
急傾斜地崩壊危険区域の指定を要する土地(区域)は、以下の[1]及び[2]の区域を包括する区域です。
[1]崩壊するおそれのある急傾斜地(経緯度が30度以上の土地をいう。以下同じ。)で、その崩壊により相当数の居住者その他の者に被害のおそれのあるもの
[2][1]に隣接する土地のうち、急傾斜地の崩壊が助長・誘発されるおそれがないようにするため、一定の行為制限の必要がある土地の区域
地すべり等防止法(昭和33年3月31日法律第30号)第3条に基づき、関係都道府県知事の意見をきいて、国土交通大臣又は農林水産大臣が指定した区域です。
地すべり防止区域の指定を要する区域は、以下の[1]及び[2]の区域を包括する区域(「地すべり地域」と総称。)であって、公共の利害に密接な関連を有するものです。
[1]地すべり区域
・地すべりしている区域
・地すべりするおそれのきわめて大きい区域
[2]地すべり区域に隣接する区域
・地すべりを助長・誘発している区域
・地すべりを助長・誘発するおそれがきわめて大きい地域
土砂災害とは、土石流、がけ崩れ、地すべりなどの土砂移動を伴う災害のことです。
土砂災害の前には、発生する渓流や斜面などの日常とは異なる「前兆現象」が発生します。注意深く観察することで土砂災害の発生を早期に予測して避難に繋がることがあります。
土砂災害の種類 | 特徴 | 主な前兆現象 |
---|---|---|
土石流 | 大雨により、大量の土石や砂などが水と混じりあって、津波のように出てくる現象のこと。 流れの先端部に大きな石があることが多いため、破壊力も大きくスピードも速いので大きな被害を及ぼす。 |
・山鳴りや、立木の裂ける音がする。 ・雨が降り続いているのに、川の水位が下がる。 ・川の水が急に濁ったり、流木が混ざりはじめる。 ・「焦げくさい」、「土くさい」、「腐った土のにおい」がする。 |
がけ崩れ | 雨で地中にしみ込んだ水分が土の抵抗力を弱め、斜面が崩れ落ちる現象のこと。 前ぶれもなく突然起こることが多く、スピードも速いため、人家の近くで起きると被害が大きくなる。地震が原因で起きることもある。 |
・がけからの水が濁る。 ・がけに亀裂が入る。 ・地鳴りがする。 ・小石がバラバラ落ちてくる。 |
地すべり | 粘土などのすべりやすい層を境に、地面全体が動き出す現象のこと。 地割れで田畑や家が壊されたり、押し出された土砂に、道路や建物が広い範囲で被害を受ける。 |
・地面にひび割れができる。 ・沢や井戸の水が濁る。 ・地鳴りや山鳴りがする。 ・斜面から水が吹き出す。 |
気象庁で採用している土砂災害発生の危険性を判断するための降雨指標のことです。「実際降っている雨量の解析値」を基に、「川などへ流出した量とさらに深い地下へ浸透した量」を引いた雨量をモデル化し、各タンクの貯留量の合計を「土壌雨量指数」として作成しています。数値が大きいほど土砂災害や洪水など大雨による災害発生の可能性が高くなります。土砂災害警戒情報発表の監視にも使用しています。
降雨による土砂災害発生の危険性を判断するため定めた雨量です。設定手法には様々な方法があるが、岩手県では連携案方式(*)を採用しています。(*:国土交通省河川局砂防部と気象庁予報部の連携による土砂災害警戒避難基準雨量の設定手法案(平成17年6月、国土交通省河川局砂防部 気象庁予報部 国土交通省国土技術政策総合研究所))
土砂災害警戒避難基準雨量の設定において、土砂災害が発生しやすい降雨水準である領域と土砂災害が発生しにくい領域を分けるため設定する線です。岩手県で採用する連携案においても対象とする土砂災害を補足可能な降雨水準を目安にCLを設定しています。
レーダーで観測した雨量を地上の雨量計で補正した雨量のことで、気象庁から提供された雨量を表示しています。
降り始めから現在までの雨量を累積した雨量です。岩手県の土砂災害危険度情報では、6時間以上無降雨が続いた時、雨量の累積をリセットして累積します。
10分前から現在までの雨量を積算したものです。
60分前から現在までの雨量を積算したものです。